今週はCLウィーク。第3節、全16試合を終えグループステージでは早くも突破にリーチをかけたクラブも出てきました。
このような結果となっています。
今節の注目試合であったはずのグループA、ドルトムント対アトレティコですが堅守が売りのアトレティコが4失点。上記の画像からもわかる通り4-0で大敗しています。
今回のテーマはタイトル通りその試合です。
シメオネ態勢になってから7年が経つアトレティコですが、4失点するのは2012年の12月以来おおよそ6年ぶりだそうです。
何が崩壊を引き起こしたのか。今日はそれについて書き出すつもりでいますが、あくまで個人的な解釈での分析結果です。何かご意見があればコメントにてお願いします。
また、当ブログでは映像資料を一切用いません。権利云々の問題ではなく単純に持ち合わせていないだけです。ご了承ください。
スターティングメンバー
これはGoogleが出しているメンバー表です。少し異なる場合がありますが、そこは追って説明します。面倒なので私自身が作ることはありません。
ドルトムントは夏に加入したアルカセルが怪我で欠場。リーグ戦ではCF不在の場合、フィリップがトップに入ることが多いですが、この試合ではゲッツェを0トップに近い形で置き、ロイスをいつものトップ下で起用することに。現在は怪我人が多いドルトムントですが、もともと戦力過多だったため、うまく回すことができているようです。
対するアトレティコですが、CBヒメネスが怪我で不在のため、CBにL・エルナンデスを、LSBにフィリペルイスを並べました。
それ以外はまぁベストと言えるメンバーでしょう。
ドルトムントは少し特殊ですが、ほぼいつも通りの4-2-3-1で、アトレティコはもはや代名詞にもなっている4-4-2でスタートしました。
世界最高と言われるアトレティコの守備陣形
現代サッカーで前線の選手が相手DFにプレッシャーをかけに行くことはもはや当たり前となっています。ちゃんとやらないだけで試合に出させてもらえなくなるようなチームもあるでしょう。
アトレティコの2トップはプレスの仕方が徹底されています。
2トップとSH、CHを駆使し、赤枠内の選手にボールが入ることを防ぎます。この中の選手にボールが入りにくくなれば結果的にサイドからの攻撃が増え、中央を固めやすいのです。また、中央に入りにくくなればCHからの縦パスの回数は自然に減ります。2トップには、GK、2CBで回している時にできるだけパスコースを消すプレスをさせ、CHが相手ボールをサイドに追いやるようにプレスをかけます。SHで相手CHへのパスコースを切れば行き詰まり。やり直すか蹴り出すかになります。
両チームの攻防
アトレティコは案の定このプレスを試合開始直後から仕掛け始めますが、ドルトムントの対抗策は簡単、ビュルキにボールが渡った際はディアロかザガドゥがキーパーと横並びになってパスコースをつくり、それでダメならビュルキは躊躇なくボールを蹴り出していました。
今日の大勝のひとつのキーであるドルトムントの隠し玉は相手CBにボールが渡り判明しました。基本陣形は4-2-3-1のドルトムントですがゲッツェとロイスをトップに置いた4-4-2のブロックを形成しアトレティコのCHにボールが渡らないよう徹底。先ほど説明したCHに入れない守備をしたのはアトレティコではなくドルトムントでした。今日のドルトムントはこれを徹底していました。
この形以外でも1試合通じてドルトムントが強固な守備を見せていたのは明らかでした。
では攻撃面はどうでしょう。ファブレ監督は片方のサイド(主に左)に選手を寄せてポゼッションすることを好む監督です。この方法のメリットは、奪われても選手間の距離が近いため、すぐにプレスをかけられることと、相手を1つのサイドに大きく寄せさせるため、逆サイドに広大なスペースができること。
今日は取られてもすぐ取り返すことを重視する戦術としての役割の方が大きかったと思います。
アトレティコの守備陣はこれをされるうちにバランスが崩れ、縦パスが入りやすくなったように感じました。
ゲッツェの偽9番としての引いてポストになる動きも繋がるかは別としてそこそこ目立ちました。
一方のアトレティコの攻撃ですが、今日のアトレティコはいつもよりだいぶポゼッション志向が強かったです。何が狙いだったのかは全く理解できません。相手の想像と違うことをしようとしたのでしょうか。裏目に出たとは言いませんが、どちらにせよそこまでいい試みではなかったのは確かでしょう。
また、今日のアトレティコの攻撃で2トップにボールが収まったとき、なかなか他の選手が攻めようとしないことにも違和感を覚えました。
ドルトムントの攻撃に戻ります。左サイドでのポゼッションを続けるドルトムントでしたが、アトレティコも流石です。空いている逆サイドに振る隙を与えません。ですがドルトムントも負けじと狭いスペースでの強行突破を狙っています。LSBに入っていたハキミの仕掛けも少なからずアトレティコの綻びを生んでいました。
ドルトムント先制
38分にヴィツェルの先制ゴールがうまれました。ゴールシーンについてはハイライトを見ながら読んでいただける方が望ましいです。
まずはプリシッチの起点。ロイスが前に走ることでゴディンを引きつけることを狙い、プリシッチはカットインでトーマスを交わせば大チャンスです。
しかしトーマスは交わせず。コケが挟みにいきます。
その後ボールは流れダフードからハキミへ。この時点で最終ラインは7人になり、その前のスペースがぽっかり空いています。
マイナスのボールを受けたヴィツェル、トーマスが危険を察知し出てきますがあっさり交わしてミドル、ディフレクションでオブラク反応できず先制です。
綺麗な攻撃でした。左右に揺らし隙を作る、見事だったと思います。アトレティコからしたら少しアンラッキーでしたね。
後半
アトレティコはトーマスに代えてロドリゴを投入。ボールを持つ時間はアトレティコがやや多いが、ドルトムントは緻密な4-4-2で対応します。
2トップと2CHの間にD・コスタが降りてくる
→ダフードがマンマークで対応
→左サイドに流しレマルで運ぶ
→3人で前方向に蓋をする。
→ヴィツェルが蓋をしていたため最初からやり直し
というシーンがありました。相当堅いです。
それでもアトレティコはレマルを中央に絞らせ、サウールをバイタルに置き、SBはめいっぱい広がり、中央に人数をかけサウールのミドルシュートに繋げていました。
SBがめいっぱい広がることでファンフランがフリーで受ける回数が増えていきました。
63分ファンフラン対策としてゲレイロが入りました。ここからドルトムントペース。
前掛かりになったアトレティコの守備はスペースだらけになり、73分ファンフランの裏のスペースを突いて追加点。その後も堅い守備と丁寧で素早い攻撃を見せ、83分に高速カウンターで3点目。最後にパスミスを押し込み4点。ここまで崩壊したアトレティコは初めて見ました。それにしてもドルトムントの破壊力が凄まじい。
最後に
この試合は完全にドルトムントの作戦勝ちでしょう。MOMはLSBのハキミだと思ってます。彼はまだ19歳ですが、見ればわかる通り将来有望です。すげぇよ。
結果は4-0でしたがドルトムントの戦い方を見れば納得のスコアです。
いつも通り記事の後半スッカスカです。精進します。
今回はここまで。また次の記事でお会いしましょう。ばぁい!