part.1
ブンデスリーガ19-20 前半戦総評 part.1 - エルヴェのブログ
最終回です。
今回は1〜3位です。
なんとか後半戦開幕前に投稿できました。
3位 バイエルン
勝ち点33(10勝3分4敗)
17-18シーズンまでは2位に勝ち点差を10以上をつけて優勝を続けていたバイエルンですが、昨季に引き続き今季も独走はならず。それどころか不調続きで首位に立ったのが第6節のみ。今季は久々に王者の座を失うかもしれません。
夏にはロベリーの退団がありましたが、リュカエルナンデス、パヴァール、コウチーニョ、ペリシッチ等ワールドクラスの選手を多数獲得し、戦力はむしろ上がっているように見えました。
開幕戦で苦手なヘルタに引き分けた時点で少し雲行きは怪しいように見えましたが、特にそんな様子もなくそこからの5節は4勝1敗と好調。
しかし7節のホッフェンハイム戦から雲行きが再び怪しくなっていきます。
ホッフェンハイムに1-2で敗れると、次節のアウクスブルク戦では開始早々に先制され、逆転するも、後半ATに追いつかれました。昨季も同じ相手に同じようなことがありました。結局その試合は2-2のドロー。
その次のウニオン・ベルリン戦でも不安定さを見せてしまいました。結果は2-1で勝利しましたが、PKストップがあってこその結果でした。
そして第10節のフランクフルト戦。
ボアテングが早々に1発退場し守備崩壊。5-1で負け、直後にコバチ監督が解任されました。
その後のドルトムント戦とデュッセルドルフ戦はどちらも4-0で快勝しましたが、レヴァークーゼンとグラードバッハの2連戦でどちらも黒星。その後3連勝し折り返しています。
絶対王者らしからぬ不安定さをずっと続けてしまいました。
完璧な内容の試合もあれば全くそうでない試合もあり、終始押していても数回のチャンスをものにされ勝てなかったり。
また、特に最終ラインは怪我人が相次ぎ、アラバをCBとして使う試合が多くありました。
新たな大黒柱となったズーレはアウクスブルク戦で大怪我をし、長期離脱。
新加入のリュカ・エルナンデスも、足首の骨折で長期離脱。
ボランチに入ることが多かったハビはCBでの起用が主となり、キミッヒをボランチで使うことが増えたことからパヴァールが右SBに入ることも多くありました。
その一方で、ウインガーの19歳のカナダ人、アルフォンソ・デイヴィスが左SBとして開花したのはいいニュースなのかもしれません。
攻撃陣に関してはレヴァンドフスキが絶好調。ウインガーのニャブリ&コマンは相変わらず脅威です。前線に関してはロベリーが抜けてもそこまで大きな問題にはならなかったのかなと思います。
2位 グラードバッハ
勝ち点35(11勝2分4敗)
私エルヴェの推しチームです。なので長くなります。
今季は開幕前に前ザルツブルク監督のマルコ・ローゼを迎え、彼の戦術に合わせるため的確な補強をしました。
ローゼ監督の教え子であるザルツブルクから右SBのシュテファン・ライナーを獲得。
シャルケからは実力を発揮できていなかったエンボロを、
ギャンガンからあのリリアン・テュラムの息子であるマルクス・テュラムを、
また、才能の宝庫となっていたレンヌからは左SBのベンセバイニを獲得しました。
クラブを出たのはドルトムントにステップアップしたトルガン・アザール。
なぜかバイエルンに移籍したキュイザンス。
昨季は主力でしたが、ライナーを獲得したことで余剰戦力となったラング等を放出しました。
開幕戦のシャルケ戦には引き分け、3節のライプツィヒ戦は負けましたが、7節にアウクスブルクを破り首位浮上しました。
直後のドルトムント戦では敗れましたが、他の上位チームも勝ち点を伸ばせず首位キープ。
その後3連勝し、12節のウニオンベルリン戦で敗れますが、またしても他チームが追いつけず首位キープ。13節で苦手だったフライブルクを下し、14節のバイエルン戦では劇的な逆転勝利。
しかし15節のヴォルフスブルク戦でライナーが怪我するとその試合には敗れ、次節のパーダーボルン戦も苦しみ、折り返し前のヘルタ戦では引き分け。ライナーの不在を大きく感じてしまいました。
また、ELでは結果を残せず、ローマには1勝1分と(VARがなかったこともあり)負けませんでしたが、ヴォルフスベルガーに開幕節で0-4で完敗。バシャクシェヒルにも勝てずにグループ敗退となりました。
そうは言っても前半戦の大部分で首位をキープしたことは大きいですし、バイエルンにリードした状態で後半戦を迎えられるのもモチベーションに繋がるでしょう。
今季から就任したローゼ監督はハイプレスハイラインをベースにした監督で、どの試合も前線から激しくプレスをかけに行くのが特徴です。
また、昨季まで指揮していたヘッキング監督がポゼッションサッカーをする人だったため、ハイプレスハイラインのサッカーには不可欠と言っても過言ではないポゼッション面でも不足は全くありません。
エンボロやテュラムのフィジカルを活かしたポストプレーがポゼッション時には輝きます。
楔のパスを確実に収め、その後の展開に繋ぐ動きはハイプレスハイラインに次ぐもうひとつの武器であり、その楔を入れるまでの、(GK含め)最終ラインと中盤の選手の足元の技術の平均値が、他チームと比べてもかなり高水準であるため、プレスをかけられて奪われるシーンは滅多にありません。
得点数はリーグで4番目の33得点。失点は最小の18失点で、安定感抜群です。かと言って守備的な戦い方をしているかと言えばそうでもなく単純に点を取られにくい、硬いです。
得点数はリーグ4番目とは言っても、トップ3はライプツィヒ48得点、バイエルン46得点、ドルトムント41得点で頭抜けているので、失点の少なさも相まってそこまで気にする必要はないでしょう。十分多い方です。
客観的に見てもかなり面白いサッカーをしていると思っています。ドイツで1番と言ってもいいくらいです。
グラードバッハは近年の傾向として冬明けに絶不調になりがちなので、監督が変わった今季はどうなるか、期待もあり不安もありと言ったところです。
1位 ライプツィヒ
勝ち点37(11勝4分2敗)
1位は破壊力がやばいライプツィヒです。
昨季は最小失点でCL圏の3位でしたが、今季の失点数はリーグで3番目に少ない20。得点数はリーグ1位の48得点です。
新たにナーゲルスマン監督が就任したこのチームは、開幕直後から好調で、開幕5戦は4勝1分でいいスタートを切りました。
しかしその後の4戦は敗戦、引き分け、引き分け、敗戦と白星を取れず一時的にスランプに陥りました。
反動なのかここから爆発しました。
まずは第10節でマインツ相手に8-0で圧勝し、そこからは全てのゲームで3点以上を取り、15節でグラードバッハがつまづいた時に順位を追い越し絶好調のまま折り返しました。
得点数は48。17試合中11試合で3得点以上取っています。
ナーゲルスマン監督が就任し、大方の予想通り躍進しました。
ただ、ナーゲルスマン監督が全く新しい戦術を取り入れたわけではなく、ライプツィヒに元から備わっていた4-4-2をベースにして戦いました。
夏は
ルックマン(エバートン)
エンクンク(PSG)
シック(ローマ)
ヴォルフ(ザルツブルク)
アンパドゥ(チェルシー)
など、比較的若く、かつ有力な選手たちを多く獲得しました。
シックについての記事です。
補強した中でもエンクンクとシックは主力として出場しており、特にエンクンクは16試合に出場し、3ゴール9アシストの大活躍。スタメン出場はたったの7試合ですが、この活躍。また、ユーティリティ性も高く、中盤全域を難なく務め、時には2トップの一角に入ることもありました。
シックは記事にもしましたが、怪我で出遅れたにも関わらず、治ってからはポウルセンのポジションを奪う勢いで躍動しています。
もちろん、活躍しているのは新加入の選手だけではありません。
ストライカーのヴェルナーは前半戦で18ゴール。レヴァンドフスキの後を追います。
ザビツァーは昨季の得点数を既に上回りゴールゲッターに、
😱 A goal of the season contender?
— UEFA Champions League (@ChampionsLeague) 2019年10月28日
😍 THAT unstoppable Marcel Sabitzer strike!
🤤 Wait for the last camera angle...#UCL | @DieRotenBullen pic.twitter.com/5dbAbQquKC
CLゼニト戦でのスーパーゴールです。
最終ラインも安定しています。
CBのウパメカノとコナテは21歳と20歳の超若手ですが、若さを感じさせません。クロスターマンとハルシュテンベルクの両SBもドイツ代表の常連となりました。
全体的に若いです。指揮官も32歳なのでめちゃめちゃ若いです。
ナーゲルスマン監督より年上の選手が1人しかいないですし、26歳以上の選手が7人しかいません。チーム全体が若いなぁと感じます。
チームとしてかなり安定していますし、崩れそうな雰囲気もないので優勝候補の筆頭になるでしょう。
以上が今季の前半戦総評でした。
今季は特に混戦であるため、後半戦もアツイ順位争いが続くでしょう。
僕自身はグラードバッハのファンなので可能性はそこまで高くないかもしれませんが、グラードバッハに優勝を勝ち取ってもらいたいです。
(それとバイエルンの連覇を止めたいです。)
ここまでご覧いただき、ありがとうございました!!
今季終了後にまた同じような企画で記事を書こうと考えているのでお楽しみに!!(その際は1チームずつ書こうかな…なんてね)