『リベロ』
3バックの中央にポジションを取るが、守備だけではなく攻撃参加もする選手。
マンツーマンディフェンスが普及していた頃は『リベロ』という一つのポジションとして様々な名選手が生まれていた。守備時は競り合い等を他の2CBに任せカバーをし、攻撃時は起点となりながら自身も一緒に攻撃参加をする。
そんなリベロもゾーンディフェンスの普及により死語となっていった。
そんな『リベロ』をチームの軸として復活させたチームがある。
ドイツのアイントラハト・フランクフルトだ。
前監督のコヴァチが守備的MFの長谷部誠を『リベロ』の位置に起き、そのシステムは現監督のヒュッターもよく使用している。
ただし、この『リベロ』は攻撃時にゴール前まで上がるような古来のリベロではない。
攻撃時はビルドアップの起点となり、守備時はインターセプトや味方のカバーを中心に立ち回る。
要するに『器用なCB』なのだ。
故に現代のサッカーではCB以外の選手がやる必要性があまりなかったりする。
それでもローマのフォンセカはクリスタンテをリベロにすることを実行した。
19-20の31節のパルマ戦からクリスタンテはリベロとして起用されるようになった。
クリスタンテがリベロに入るだけでビルドアップの面白みがかなり増す。
バックスピンをかけた正確なフィードをWBに提供する他、ドリブルで運び相手FWを剥がしてからパスする等、効果てきめんな場面が多い。
一方で守備面でのスタッツには不安を残す。
当たり前だが、3CBの中央を務める他メンバー(イバニェス、スモーリング)と比べると当然守備面の弱さはある。
そんなローマとフランクフルトの最大の違いは単純なクリスタンテと長谷部の違いではなくCBの前の中盤の選手のスタイルだろう。
ローマでは、ペッレグリーニ、ヴェレトゥ、ビジャール、ディアワラ等攻撃面に特長のある選手が多い。
一方のフランクフルトは、ヴェレトゥにスタイルが似ているローデやソウ、CBも務められるイルザンカー。彼らは主に守備面での特長があり、インテンシティも高い。
リベロのポジションがクリスタンテかどうかは関係なくローマの失点は多い。少なくとも失点期待値と比べるとだいぶ多くなってしまっている。
そこで、ローマの失点の多さの秘密はそこにあるのかもしれない。と考えた。
残念ながら今のローマはカウンター耐性が低い他、強豪相手には勝利そのものさえ望めないという現実がある。
中盤に潰し屋のような選手を1人加えるだけでローマのサッカーは変わるかもしれない。
彼が潰し屋と言えるかどうかはわからないが、マンチーニがアンカーポジションを務めていた際はかなり調子が良かった。
インテンシティの高さやボール奪取力の高さ等、守備面の評価が高い中盤の選手がチームに欲しいなと思う。
今のローマは攻撃面に魅力がある一方で守備面は未だに不安である。
その守備面の改善意見として1つ、自分なりの答えは出せたと思う。
インテンシティの高い潰し屋タイプの中盤の選手を獲得。または、クンブラ、スモーリング、イバニェスの3CB+マンチーニの中盤起用。
が理想だ。
もちろんシーズン終了までは後者しか選択肢がないし、フォンセカ監督はこれをしないだろう。
それでも好きなチームのことを自分の頭の中で色々考えるのは楽しい。
パルマ戦に負けてしまったことでトップ4フィニッシュはますます厳しい道のりになってしまったが、それでもローマを応援していきたい。
今回は自分の意見を長々と書く記事にしました。
ロマニスタのみなさんの意見を聞くのはとても興味深くて楽しいことなので、いろいろな方が各々の考えを文章にしていただけると僕の楽しみが増えます!笑
また気が向いた時に記事を書きます。ご覧いただきありがとうございました!